フィルター開発の歴史

開発の原点

社会問題『じん肺』に挑む、フィルター開発の原点。

社会問題『じん肺』に挑む、フィルター開発の原点。

流機エンジニアリングの歩みは、トンネル建設現場の過酷な環境から作業員の命を守るための挑戦から始まりました。 その根底には、創業者が抱いた「現場の環境を保全し、働く人の健康を守りたい」という強い信念があります。

開発の歴史

流機エンジニアリングを設立から、業界初の技術・製品開発により、大型集塵機関連の特許取得、フィルター技術を起点とした製品で市場開拓を行うなど、同社の競争力向上・事業規模拡大に貢献いたしました。その開発の歴史をご紹介いたします。

  • 「現場の課題を、最初から最後の一つまで引き受ける」という創業の志

    「現場の課題を、最初から最後の一つまで引き受ける」という創業の志

    1970年代後半、日本のトンネル工事現場は大きな転換期を迎えていました。 新工法の導入により施工が加速する一方で、大量に発生する粉じんによる「トンネルじん肺」が深刻な社会問題となっていたのです。

    1977年、株式会社流機エンジニアリングを設立しました。 創業者西村章は、都市開発が加速する中で「売って終わりの機械ではなく、現場を支え抜く仕組み」の必要性を感じ、元同僚と起業。環境保全から機械の設置・施工・アフターサービスまでを一元化する、当時類を見ない一貫体制を確立しました。 現場のどんな難題も「なんとかする」という強い姿勢から、創業期は航空・宇宙関連試験設備の設計開発から始まり、理想の集塵機開発に向けて研究を開始しました。

  • 革新的な集塵システムの確立に成功

    革新的な集塵システムの確立に成功

    トンネル工事の現場では、機器・設備を設置するスペースの制約がある中、高い清浄・集塵能力とメンテナンス負荷の軽減等、様々な機能が求められます。これらの課題を解決するため、流機エンジニアリングでは10年もの歳月をかけて研究・改良を重ね、性能を飛躍的に向上させることに成功しました。

社会を変えた「3つの独自技術」

効果的な表面ろ過の追求

効果的な表面ろ過の追求

フィルター表面にプレコーティング加工し、粉じんを払い落としやすくする技術を開発。素材選定や分布・量の調整、ろ布との相性等、最適な条件となる技術を確立しました。

高清浄度

処理風量の確保と目詰まり防止の両立を実現

「プリーツ形状」による圧倒的な小型化

「プリーツ形状」による圧倒的な小型化

より多くの粉じんを捕集するには、単純に吸引力を強力にすれば良いのではありません。フィルターが目開きすることによって粉じんを吸い込んでしまうため、適度の吸引力で粉じんの捕集効率を上げる必要があります。 そこで、フィルターをプリーツ状にすることで表面積を大きくする一方、集塵機自体はコンパクト化を実現しました。

コンパクト化

ろ布面積:約20倍
装置寸法:他社の1/5
→トラックへの搭載と坑内移動が可能に

メンテナンスフリーの実現

メンテナンスフリーの実現

衝撃波を使って粉じんを払い落す機能とフィルターの自動再生機能を開発しました。

  • ① 電磁弁からフィルター内部に向かって強力な圧縮エアをパルス波として放出
  • ② プリーツフィルター本体の上部から下部に衝撃波が伝搬
  • ③ フィルターの外側に付着した粉じんが剥離
  • ④ 払い落とされた粉じんが蓄積

長寿命

フィルター寿命1か月から4~6年へ
工事期間中のフィルター交換不要
空気中粉じん濃度:1mg/m³→0.1mg/m³(大気と同レベル)

新たなビジネスモデル「メーカーレンタル方式」の確立

「良い機械を作るだけでは、現場は変わらない」 技術を確実に現場で機能させるため、製品の提供方法そのものも変革しました。

  • 業界初

    メーカーレンタル

    機器はすべて自社で保有・メンテナンスしており、顧客は必要なときに必要なだけ利用できるレンタルサービスとして提供しています。常に最適な状態で提供することで、安心と柔軟性を両立させました。

  • 業界唯一

    ワンストップサービス

    換気設計・設備設計から、現場でのメンテナンスやトラブル対応に至るまで、顧客の状況や課題に応じた一貫したサービスを提供しています。技術面だけでなく、運用上のサポート体制を整備することも重要だと考えています。

総合サービスが多くの顧客から支持され、2020年版グローバルニッチトップ企業100選(2020年)

領域拡大の軌跡

あらゆる環境課題を解決する「領域拡大」の軌跡

トンネル工事から環境対策工事へ

トンネル工事から環境対策工事へ

テフロンメンブレン加工による高いろ過技術の実現(2006年)

人体に深刻な影響を与える物質の除去には、高精度なフィルターが必要であるが、ランニングコストが大きな負担となっていました。その課題に対して当社は、フィルターをテフロンメンブレンにラミネート加工する技術を開発しました。高性能・低コストのフィルターを実現し、有害物質の除去にも効果を発揮し、土壌汚染や焼却炉解体、原子力施設など幅広い分野で活用されています。

プラント、工場など産業分野への拡大

プラント、工場など産業分野への拡大

オーダーメイド集塵機開発(2009年)

トンネル工事で培ったフィルター再生技術と、コンパクト設計での大風量化技術を応用し、限られたスペースでも高性能を発揮する産業用大型集塵機「Iシリーズ」を開発。 ロングライフ性能により、 ライフサイクルコストの低減を実現しました。高温や爆発性など特殊粉じんへの対応や狭小スペースへの設置など、現場の課題に合わせてオーダーメイドで設計しています。2019年「第45回優秀環境装置表彰 経済産業省産業技術環境局長賞」受賞しました。

焼却炉解体、中間貯蔵施設でのトップシェア

焼却炉解体、中間貯蔵施設でのトップシェア

「FP法(フィルター・パウダー法)」の開発(2009年)

テフロンメンブレン加工したフィルターに機能性パウダーを添着し、有害物質を吸着除去する技術を開発。環境対策集塵装置としてすぐに実用化しました。従来、ガス状の有害物質や臭気の除去に使用されるペレット状の活性炭に比べ16倍の効果を発揮します。焼却炉解体工事、中間貯蔵施設向け集塵機 国内トップシェアを誇ります。

災害への対応と、そこで培った技術の横展開

災害への対応と、そこで培った技術の横展開

福島第一原子力発電所に関連した処理技術の活用

  • 汚染土壌貯蔵

    除染作業で発生する土壌等の中間貯蔵施設で本技術が採用。作業環境・外部飛散防止の安全性が高まりました。豊洲市場の土壌改良工事採用いただきました。令和4年10月、「東京都功労者技術振興功労」受賞しました。

  • 濁水排水処理

    放射性物質を含む汚染水を浄化し、除染洗浄水として再利用できるフィルター式水処理装置を開発。 その後7年にわたる実験研究を経て、水処理の領域でも目詰まり対策や装置の全自動化を実現、フィルター面積の大容量化とコンパクト化、長寿命化を大幅に向上させました。2021年3月、日本発明振興協会「発明大賞 本賞」受賞。水ソリューションという新たなビジネスを展開しました。

空気から水領域、そしてPFAS問題の解決へ

空気から水領域、そしてPFAS問題の解決へ

「LFP法(リキッド・フィルター・パウダー法)」の開発(2022年)

FP法を応用し、活性炭パウダーをフィルターに積層させ水中に溶け込んだPFASを高精度で吸着除去する技術を開発。4種類のPFASを含む模擬水を98.8~99.7%の精度で浄化に成功しました。 2023年4月、宜野湾市でPFAS除去装置として採用(国内初)されました。

令和5年度 環境省「土壌汚染調査対策技術検討調査」実証研究に採用。